「ユニカセ」というフィリピンにあるレストランをご存知でしょうか?
2010年8月にマニラにオープンした自然食レストランです。
創立者の日本人女性がどういう経緯で、異国の地のフィリピンでレストランをオープンしようと思ったのでしょうか?
「ユニカセ」レストラン代表の中村八千代さんと、創立した経緯についてまとめました。
「ユニカセ」というフィリピンのマニラにあるレストランはどんなところ?
フィリピンの貧困層出身の青少年たちがスタッフとして働いているレストランです。
この青少年達は、過去にゴミ山で育ったりストリートチルドレンとしてホームレスとなっていた子供達です。
親から虐待をされたり人身売買の危機にあったり、親と死別したり、様々なトラブルを経験してます。
こういった家族と暮らすことができなかった青少年たちが、自分の自立の場として働けるソーシャルレストランとして2010年にマニラでオープンしました。
フィリピンでは18歳になると各市民団体の施設から出て自立しなければならないため、ユニカセは家族の元で一緒に暮らせない青少年等を雇用することで、ビジネスマナーやコミュニケーションなどを学ぶ機会を提供しています。
ユニカセは自然食レストランとしても有名で、フィリピンの食文化を受け継ぎながらも、日本食のようにあっさりとした体の良い食材を用いることで健康面でも安心して提供できる食事サービスを心がけています。
2017年からは毎年ベストヘルシーレストランとしても表彰されており、健康志向の高いフィリピン人や現地の駐在員にも人気の高いレストランです。
「ユニカセ」創立者の日本人女性、中村八千代さんとは?創立したきっかけは?
1969年東京生まれ
明治大学商学部を卒業後にカナダへ留学
帰国後、20歳の時に亡くなった母親が経営していた酒店を引き継ぐが、父親が経営していたスーパーが倒産。
26歳の時に、父親の借金4億円を背負うことになり、3回の自殺未遂をする。
友人の支えもあり、何とか10年で借金返済。
2002年から NGO や国際協力の世界へ進み、2006年36歳の時に国境なき子どもたち(KnK) の現地派遣者としてフィリピンに赴任。
その時に、現地の貧しい子供達の状況を目の当たりにし、そういう子供たちに手を差し伸べる仕事をしようと決意。
同時に、フィリピンの食事は油ものが多く、野菜も少なくて調味料は砂糖ばかり。フィリピンでの食事で体を壊した後、野菜中心の食生活に変えると1年で体調が回復したことで、食事の重要性を改めて実感し、健康食を提供するサービスをしようと思いついた。
2010年5月にユニカセ・コーポレーションを設立。
8月にレストランをオープン。
2013年に日本で NPO 法人ユニカセ・ジャパンを立ち上げ。
貧しい子供達も夢をあきらめないでほしいという想いを持っている。
「ユニカセ」はクラウドファンディングによって守られた!
2010年の立ち上げから10年間続いてきたこのレストランですが、コロナの影響により経営が厳しくなり、お店の賃料が払えないという問題が出てきました。
そのため、半年間営業できなかった時期もあります。
しかし、10年間頑張ってきた青少年のスタッフたちが、これからも安心して仕事ができる環境を残してあげたいと思い、クラウドファンディングを募りました。
その結果、目標金額の200万円に対して、支援総額が642万5千円集まり、ユニカセは守られることになりました。
まとめ
以上、「ユニカセ」レストランの概要と創立者についての記事でした。
まだまだフィリピンでは経済格差があり、貧しい子供達が安心して生きていくことが難しい状況が続いています。
こういった子供たちが大人になった時に、安心して働ける場所が提供されていることをとても嬉しく思います。貧しい子供たちに明るい未来を見てもらいたいですね。